被膜の厚いオイルシストの治療

脂肪豊胸後のしこりは、被膜や壊死脂肪の状態により治療法が異なりますが、被膜の厚いオイルシストの治療は難しいです。

 

多くのオイルシストは被膜が薄いため、注射針で穿刺吸引すると被膜が完全に虚脱して、エコーでもしこりがわからなくなります。

 

しかし、被膜が厚い場合は穿刺しても被膜が完全に虚脱しないため、エコーではしこりが残存します。

 

被膜が完全に石灰化していれば切開して摘出するしかありませんが、

被膜の厚いオイルシストの場合はある程度しこりを小さくすることが可能です。

 

この方は被膜の厚いオイルシストがいくつかありましたが、エコーガイド下に注射針で穿刺吸引しました。

 

1個目です。

図2

穿刺しました。ほとんど虚脱しましたが、厚い被膜がはっきり見えます。

図3図4

 

 

2個目です。

図5

穿刺しました。完全には虚脱しませんが、かなり小さくなりました。

図6図7

 

 

3個目です。これは被膜の一部が石灰化しています。

図8

硬い被膜を何とか穿刺しました。半分ぐらいまでしかしこりは小さくなりませんでしたが、手では触れにくくなりました。

図9図10

 

被膜の厚いオイルシストはある程度は穿刺吸引で治療可能ですが、石灰化が強い場合は切開が必要になります。

しこりの状態で適切な治療を選択することが大切です。